「急に後ろ足をつかなくなった」
「歩き方がおかしい」
「時々スキップするように歩く」
このような症状がある場合、膝・股関節・腰(神経)などに問題が起きている可能性があります。
特に膝の疾患(前十字靭帯断裂やパテラ)は、札幌で対応する動物病院が少ない事もあり、日常的に多くご相談をいただく症状のひとつです。
目次
よくある原因
膝のトラブル
後ろ足のびっこの原因として最も多いのが膝の疾患と言われています。以下の3つが多く認められます。
- 前十字靱帯(膝の靱帯)の損傷、断裂
- 半月板の損傷
- 膝蓋骨脱臼(お皿のずれ)
大型犬では前十字靱帯が、小型犬では膝蓋骨脱臼が多い傾向があります。前十字靭帯の場合、急に足を上げたり、立ち上がりを嫌がったりすることがあります。一方、膝蓋骨脱臼では、数歩だけ足を上げて「スキップするように歩く」ことが特徴です。
股関節の病気
臨床症状は膝と似ますが、股関節の疾患も膝に次いで多い疾患です。
- 股関節形成不全
- 大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス)
- 股関節の変形性関節症
いずれの疾患も、臨床症状は同様で、ジャンプを嫌がる、階段を嫌がる、後ろ足の筋肉が細くなる、腰を振るように歩くといった変化がみられます。股関節形成不全の症状は大型犬の若い時期に、レッグ・ペルテスは小型犬の1歳未満で、股関節の変形性関節症はすべての犬種で老齢期に多くみられるのが特徴です。
ヘルニアや腫瘍による脊髄圧迫性疾患
軟骨異栄養犬種(ダックス、シーズー、コーギー、ビーグル、フレブル)で多い疾患です。高い所から飛び降りた後や、滑って転んだ後などに急にびっこを始めた場合は、
- 椎間板ヘルニア
- 脊髄腫瘍
- 脊髄梗塞
脊髄を物理的に圧迫したり、虚血による神経細胞への障害によって発生します。膝や股関節とは異なり、後ろ足のふらつきや引きずり、麻痺を主徴とする疾患でが、脊髄梗塞の場合は、膝や股関節の疾患の症状と似る事もあるため注意が必要です。
その他、けが・骨折
事故や落下、激しアジリティースポーツなどで、関節の捻挫や骨折が発生する場合があります。
こんな症状は早めの受診をおすすめします
- 急に後ろ足をつかなくなった
- 強い痛みがある
- 立ち上がれない
- 足が腫れている
- 症状が数日以上続く
- 何度も繰り返す
診断で大切なこと
原因を見つけるために、以下の点を確認します。
- いつから症状が出たか
- 急に始まったか、徐々に悪化したか
- 片足だけか、両足か
- 年齢・犬種・体重
- 痛みの場所
- 神経症状の有無
必要に応じて、レントゲン検査や関節の検査を行います。
見落とされることがある病気
- 血栓塞栓症
- 免疫介在性関節炎
- 骨の腫瘍
いずれの疾患も、初期には症状が軽く、単に「足を少し上げるだけ」から始まる疾患で、整形疾患との鑑別が難しい場合があります。そのため、常に、獣医師が鑑別疾患として注意を払う必要があります。
ご家庭でできること
早めの受診が最も大切ではありますが、すぐに受診できない場合には以下の事を心がけてみてください。
- 獣医師に見せるための動画を撮影
- お散歩は控える
- 椅子やソファへの乗り降りを避ける
- 滑りやすい床を避ける
まとめ
犬の後ろ足のびっこは、膝の病気から腰の神経疾患まで原因がさまざまです。
「少し様子を見よう」と思っているうちに悪化するケースもあるため、
- 歩き方がいつもと違う
- 痛がる
- 立ち上がりにくい
- 症状を繰り返す
といった場合は、早めにご相談ください。







