数年かけて大阪や東京、タイでのセミナー(初級や中級セミナー)を経て、やっと上級セミナーであるアドバンスセミナーに参加してこれました。
今回の場所は、品川駅から歩いて5分の街中の動物病院でした。札幌在住の私からすると、こんな街中に患者さん(動物達)はいるのだろうか??と勝手に心配になってしまっていました。

でも、実際は心配無用です。
こちらの病院は保険会社のアニコムさんが母体のJARVIS動物医療センターという施設で、関東中から高度医療を求めて紹介症例が集まる病院です。また、日本で唯一、手術支援ロボットを導入していて、獣医学を一歩でも人医学に近づけようと、セミナーの講師の一人でもある是枝院長が中心となって奮闘してくれています。
ただ、ものすごく街中でした・・・。改めて私は北海道が好きだな~と思って帰ってきました。
肝心の勉強会ですが、表題は前十字靭帯断裂におけるTPLO手術の上級セミナーですが、膝という事でパテラの情報も含まれています。その中で、一つアップデートすべき情報が得られました。既に、アップデート前の情報でご説明をしてしまっている飼い主の方々も多くいますので、ここでご紹介をさせていただきます。(詳しくは次回の診察の際に再度ご説明させていただきます)
対象病態
パテラグレード3、4症例で、大腿骨遠位の変形が強く出ている場合
これまでの当院での説明
上記病態の場合、パテラの従来の術式では一度では整復できない可能性(術後の再脱臼の発生)があるため、治療の選択肢は以下の二つとなる。
- 通常のパテラの術式を行い、術後の再脱臼が発生した場合に、大腿骨遠位の変形に対する追加手術を行う方法
- 大腿骨の変形程度を数値化し、条件を満たした場合、一度の手術でパテラ整復と大腿骨の変形矯正を行う方法
アップデート
これまでは上記を飼い主の方々に選んでもらう必要があったのですが、その選択には、愛犬への負担(骨の侵襲度)、麻酔の回数、費用的なご負担など、とても難しい判断材料が含まれ、飼い主の方々にとっても、獣医師にとっても、なかなか判断が難しいものでした。
勉強会で、その答え(ガイドライン)が出たわけではないのですが、いわゆるエキスパート(整形外科をする獣医師の『先生』)と呼ばれる、今回の主講師のアメリカのBrian先生も、日本の是枝先生もともに、以下のような見解でした。
- 大腿骨の骨変形があっても、従来の術式でパテラの手術をまず行い、術後に再脱臼をする場合に大腿骨変形矯正術を追加で行う。(もちろん骨変形が非常に強い場合が例外)
外科には派閥のようなものがあり、はじめから大腿骨の変形があるから矯正もするという考え方もあるのですが、私は今回の2名のエキスパートの考えがとてもしっくりと納得でき、当院の外科の判断基準のアップデートとすることができました。
手術が必要になってしまった時にはたくさんの決断というストレスが飼い主の方々にも発生します。また、決断した内容によって、手術を受ける動物達の肉体的な負担にも差が出てきます。
獣医学の進歩によって少しでも動物達や飼い主の方々の負担を減らせると嬉しいですね!







